AGA(男性型脱毛症)という名称はTVコマーシャルで芸能人が製薬会社に起用されていたりすることもあり、認知度が深まりつつあります。最近では、その治療薬を処方する専門の医療機関に足を運ぶ方の中に、女性の割合が増えてきているとの事です。そして、診察の結果専門の医師からFAGA(女性男性型脱毛症)という診断を受け、実際に一定期間治療にのぞむ方もいる様です。
では、このAGAとFAGAの一見似たような診断名ですが、女性と男性ではどのような違いがあるのでしょうか?
AGA(男性型脱毛症)は悪玉男性ホルモンが影響して、頭頂部と呼ばれる頭のてっぺんや生え際と呼ばれるM字部分において、密度が粗くなっていく状態のことを言います。治療方法としては内服療法や外部から専門の薬剤を注入する方法などがあり、半年から数年の治療期間がかかると一般的には言われています。
一方、FAGA(女性男性型脱毛症)に関しては、同じように男性ホルモンが影響すると言われていますが、その機序よりも最も大きな違いとしては、症状の現れ方にあります。具体的には、女性の場合は男性の様に頭頂部や生え際など、限られた部位に薄毛の症状が現れるというのではなく、びまん性と言って頭部全体にその症状が及ぶそうです。
また、男性と比べ女性ほうがその症状の現れ方などからも精神的な悩みが深いケースが多い様です。中には精神科などを受診している状態で、FAGAの治療のため専門機関に来院される方もいるとの事です。
AGA及びFAGAの治療薬として一般的にミノキシジルという、発毛を促す薬を使用致しますが、その副作用として初期脱毛と呼ばれるものがあります。これは治療を開始してから数週間から数か月の間に、一時的に抜け毛の量が増えるというものです。これは治療過程で起こるものですので、初期脱毛が起きたからと言って、治療前より見た目の状態が目立ってしまうというのは考えにくいですが、女性の場合それに対する強い不安から治療を断念するケースもある様です。また、ミノキシジルのもう一つの副作用である頭髪以外の体毛の変化に対しての強い抵抗から、やはり治療を断念する方も多い様です。女性は普段から美容エステなどで全身脱毛などをされている方も多いため、究極の二択として毛髪の改善を取るのか、暖かい季節に服を露出する機会を考慮して、専門の治療薬は断念してサプリメントなどで副作用は避けて、出来る限りやれることはやるのかという厳しい判断を迫られる様です。